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●関節リウマチについて。

関節リウマチは約150人に一人という高い有病率の病気です。
略してRAと呼ばれます。

リウマチの診断と治療について最近の知見を述べてみます。

この診断には一般にアメリカリウマチ学会の診断基準を用います。

…のこわばり:少なくとも1時間以上継続(≧6週)。
3関節以上の関節炎:少なくとも、3関節の腫脹、あるいは関節液貯留が認められること(≧6週)。
手の関節の関節炎:手関節・MP・PIPの少なくとも1関節の腫脹(≧6週)。
ぢ仂寮関節炎:両側が同時に関節炎であること(PIP・MP・MTPは完全に対称でなくてもよい(≧6週)。
ゥ螢Ε泪肇ぅ彪訐瓠Ч隆起部、伸筋表面、関節周辺の皮下結節の確認。
手のX線所見の変化:手指、手関節のX線写真で典型的なRAのX線変化がみられること。
Д螢Ε泪肇ぅ桧子陽性

上記7項目中、4項目以上でRAと診断します。

血液検査のデータとしてリウマトイド因子がありますが、これのRAにおける陽性率は約80%といわれています。つまり、2割のひとは、リウマチ因子が陰性であるということです。

診断基準に関節腫脹の項目は7項目中3つも含まれています。これは、炎症による腫脹が関節破壊につながる重要な所見だからです。

血液検査値としては炎症マーカーであるCRPがよく病勢の判定で用いられますが、このCRPは、炎症性サイトカインの血中濃度を反映しており、膝のような容量の大きな関節が炎症を生じると容易に高値を示すのに対して、手指のような小さな関節での炎症ではなかなか数値があがりません。従って、CRPだけで病勢を判定すると、手指の関節は過小評価され、膝のような大関節は過大評価されてしまいます。病気の重症度の判定にCRPに頼りすぎてはいけないが、CRPも下がらないような治療であれば効果がないものと判断します。

最近では関節炎マーカーとして、血中MMP-3(マトリックスメタロプロティナーゼ3)がCRPより病勢や予後に相関しているとの報告もみられます。

RAの薬物療法

“鵐好謄蹈ぅ廟消炎鎮痛剤(NSAIDs)

→鎮痛作用によりRAの患者にはよく用いられるが、RAの病勢を抑えるだけの効力はない。

副腎皮質ステロイド
→強力な抗炎症作用により、RAの病勢を押さえ、自覚症状も改善できるが、多様な薬理作用による副作用のため、できる限り投与量を抑えたい薬剤。
特にステロイド誘発性骨粗鬆症がおこると寝たきりになってしまうことも多いため、ステロイドを投与する場合は、骨粗鬆症の薬を投与する必要がある。

C拗埓抗リウマチ剤(疾患修飾性抗リウマチ薬DMARDS、免疫調整薬):DMARDSは一般には3ヶ月くらい使わないと、効果がみえとこないので辛抱が必要。

→●リマチル(ブシラミン)(1回100mg一日3回)
 ●シオゾール(金製剤)週1回筋注、第1〜4週は1回10mg、第5〜8週は1回25mg、第9週以降は1回50mg、メタルカプターゼとの併用は血液障害の可能性があり併用しない。
 ●メタルカプターゼ(D-ペニシラミン)1回100mg一日3回
 ●リドーラ(オーラノフィン)一日2回朝夕食後
 ●アザルフィジンEN(サラゾスルファピリジン)一日2回朝夕食後

等がある。
これらの、DMARDSは、薬剤に非常によく反応する患者と、全く効果のない患者があり、それが、投与前に予測できません。また遅効性なので少なくとも3ヶ月は辛抱してみないと効いているかどうかわかりません。投与量を増減しても効果が変わらない場合も見受けられます。また当初効果のあった薬剤が途中で効果がなくなってしまう場合もあります。

ぬ髪嵳淦剤
→欧米ではリウマチ治療の第1選択薬とされています。
●リウマトレックス、メトレート(メトトレキセート)(略してMTX):1週間単位投与量6mg、初日から2日目にかけて2mgを12時間毎3回、核酸代謝のうちピリミジン系代謝を阻害する。
●アラバ(レフルノミド):核酸代謝のうちピリミジン系代謝を阻害する。
●ブレディニン(ミゾリビン):1回50mg一日三回、核酸代謝のうちプリン系代謝を阻害。

免疫抑制剤の副作用として、骨髄抑制があり、またメトトレキセートとレフルノミドには間質性肺炎の頻度が高く、注意が必要。

ダ己(学的)製剤
●レミケード(インフリキシマブ):
→RAの病態研究から、炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインのバランスがRAの場合極端に炎症性サイトカイン優位に傾いていることがわかり、この炎症性サイトカインをブロックする治療の開発が進められてきました。
炎症性サイトカインの代表は、TNF(腫瘍壊死因子)、インターロイキン1、インターロイキン6などです。
このうちTNFアルファをブロックするのがレミケード(インフリキシマブ)です。

インフリキシマブ投与の実際:
☆MTXとの併用が条件→インフリキシマブはTNFアルファに結合するモノクローナル抗体の認識部分とヒト免疫グロブリン定常部分とのキメラ分子です。
このキメラ分子が、細胞外の浮遊TNFに結合して、レセプターとの結合をブロックする機序以外に、マクロファージなどの炎症を起こす細胞の表面のTNFα(膜結合型)にも結合し、わるさをする細胞を破壊します。イソフリキシマブはキメラ分子であるため、抗キメラ抗体が産生されるのを抑制するためMTX(メソトレキサート)との併用が条件となっています。

投与のガイドライン
→MTX6mg/週 以上を3ヶ月以上継続投与してもコントロール不良のRA患者(以下の3項目を満たす。)

=崢亡慇畤堯6個
⊆霙唄慇畤堯6個
CRP≧2.0mg/dl

インフリキシマブ投与のスケジュール
初回投与
↓ (2週間)
2回目投与
↓ (4週間)
3回目投与
↓ (8週間)
4回目投与
↓ (以後8週間間隔)

インフリキシマブ投与の禁忌
★陳旧性結核の再燃による死亡例が海外で多数報告されている!
→投与前にツベルクリン反応、胸部X線などの検査の施行が勧められています。

―兎討粉鏡症の患者
活動性結核の患者
インフリキシマブの成分またはマウス由来の蛋白質に対する過敏症の既往歴がある患者
ぢ身性硬化症などの脱髄疾患およびその既往歴のある患者
イΔ歎貔心不全のある患者

インフリキシマブ投与の成績:
対象となったのは1049名の罹病期間平均7ヶ月、腫脹関節数18−19、疼痛関節数29−33と、活動性の高い患者さんです。
対象患者さんをMTX単独群、レミケード6mg/kg+MTX併用群、レミケード3mg/kg+MTX併用群に割り付けて54週間治療しました。
  
その結果、MTX単独に比べてレミケード併用でリウマチの改善(関節炎の程度、日常の身体機能)が統計学的な有意差をもって高いことが示されました。ACR20,50,70というのは、後述のようなリウマチ改善の目安で、ACR20は薬剤が有効であること、ACR50は薬剤が著効を示すこと、ACR70は病気がほぼ寛解したことを示す指標です。レミケードの併用で1年後に重症の患者さんの30%以上に病気の寛解が得られたという驚くべき数字です。
X線スコア(関節破壊スコア)の変化も、MTX単独では関節破壊が着実に進行したのに対し、レミケード併用ではほとんど進行しませんでした。副作用については、治療による死亡率は両群間に有意差はありませんでした。このように、ASPIRE試験では早期リウマチ患者さんにMTXだけではリウマチの関節破壊を抑えることができなかったのに、MTXにレミケードを併用することで関節破壊を抑制できることが実証されました。

●エタネルセプト(エンブレル):

エタネルセプト(エンブレル)はTNFαとβの受容体2分子とヒト免疫グロブリンを結合させた融合蛋白で、血中のTNFαおよびβと結合し、働きを阻害します。
エタネルセプト(エンブレル)は、炎症細胞が産生する血中のTNFαおよびTNFβの両方に結合し、標的となる細胞にTNFαとβの両方が結合できなることによりTNFの働きを阻害し、炎症を抑えます

エタネルセプト(エンブレル)の投与方法;
皮下注射、週2回 25mg/回
MTXの併用が可能で、併用したほうが有効性が高い。

エタネルセプト(エンブレル)の効果はレミケードとほぼ同等とされています。レミケードと比較しての特徴は、MTXが副作用などで使用できない場合でも単独で使用可能なこと、クリニックで注射の指導を受けたあと、糖尿病でのインスリンと同様に、家庭自己注射できることです。

2004年に発表されたTEMPOスタディは、活動性が高い682人のリウマチ患者さんを3グループに分け、MTX、▲┘鵐屮譽襦↓エンブレルとMTXの併用、の3種類の治療を52週間(約1年)継続し、治療成績を比較しました。

その結果は、エタネルセプト(エンブレル)は単独で使用すると関節炎の症状はMTXと同等に抑えることができることがわかりました。つまり、MTXが副作用などの理由で使用できない場合、エタネルセプト(エンブレル)でMTXと同等の効果が得られます。さらに、エンブレルをMTXと併用すると、エンブレル単独およびMTX単独より統計学的に有意差をもって効果があることがわかりました。つまり、エンブレルは単独使用でも効果がありますが、MTXと併用すると(レミケードの場合と同じように)さらに効果が高まることが証明されました。

実際の投与は外来でレミケードは2時間かけて点滴。
エンブレルは皮下注射なので、時間はかかりません。

● 治療費はどれくらいかかるのでしょうか?

下記しているのは、わが国で使用されている主なリウマチ治療薬の1年間の値段です。(3割負担として計算したものであり、老人保険の場合この3分の1です)


市販薬剤名      作用の強さ 3割負担の年間の費用(円)
シオゾール(注射金剤) 中      3198
リドーラ         弱      26871
リマチル         中      9975−19951
アザルフィジンEN     中      19666
メタルカプターゼ    中      8464
カルフェニール     弱      30386
モーバー(オークル)  弱      33507
アラバ          強      36912
リウマトレックス    強     13010−26021
ブレディニン       弱      127689
レミケード         強      407484
エンブレル        強      481675

上記でわかるように、非常に効果が高いレミケードやエンブレルによる治療は、その分医療費も高額であることが現状です。しかし、様々な制度により、医療費の補助が受けられます(一度払った医療費が、後から返ってきます)。このことに関し、レミケードを例に概説します。製薬会社(田辺製薬)が作成した医療・福祉制度ガイドブックを当クリニックでお渡しできます。非常によく出来たものですので、お問い合わせください。


● レミケード医療費の概算

以下の概算は、製薬会社の試算によります。試算の条件は、レミケード点滴の間に1回づつ外来を受診し、併用薬(リウマトレックス、プレドニゾロン、ボルタレンSRカプセル)を院外処方された場合です。

1)高額療養費制度
医療費が高額になった場合は、後で払い戻しを受けることができるのが高額療養費制度です。同じ病院や診療所で支払った1ヶ月の医療費が自己負担限度額を超える場合、申請することにより「高額療養費」として後で払い戻しを受けることができます。
以下の概算は、この制度を利用した場合の自己負担の概算費用を示します。
健康保険組合によっては給付金として医療費を受けることができ、下記の表より自己負担額が更に少なくてすみます(70歳未満で自己負担が年間10〜14万円程度の健康保険組合もあります)。
詳しくは、国民健康保険の場合は、市町村の窓口へ、社会保険(被用者保険)の場合は各事業所あるいは社会保険事務所へお問い合わせください。

レミケードを使用した場合の年間の医療費 年齢 所得区分 高額療養費適用後の年間金額(円)
70歳未満 一般 400960
一定以上*1 618710
一定以下*2 225100
70歳以上 一般 90850
一定以上*3 295100
一定以下*4 62850
*1 社保:標準報酬月額56万円以上、国保:同一世帯全ての国保被保険者の基礎控除後の所得の合計金額が670万円以上
*2 住民税非課税
*3 社保:標準報酬月額28万円以上、国保:課税所得年額124万円以上
*4 住民税非課税世帯または老齢福祉年金受給世帯

2)その他の負担軽減制度
高額療養費制度以外にも、下記のような様々な助成制度があります。ぜひ利用してください。
1. 確定申告 年間10万円を超えた医療費は確定申告すれば税金が戻ってきます。
2. 医療費の公費負担 悪性関節リウマチでは、特定疾患治療研究事業として、治療費が減免されます。(申請は保健所へ)
3. 更生医療 身体障害者の場合、自己負担の一部を課税所得に応じて助成されます。(申請は都道府県の福祉事務所へ)
4. 傷病手当金(国保は除く) 療養のために仕事ができなくなった場合に、給料の60%が保障されます。(申請は各保険者へ)
5. 重度心身障害者医療費助成 重度の心身障害者の自己負担を全額助成。(申請は市町村役場へ)