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 症状からみる病名チェック
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◆手のしびれ感と上肢の麻痺 ◆肩の関節の痛みと機能障害 ◆肘の痛みや変形 ◆手首の痛みや変形 ◆手の指の痛みや変形と機能障害
◆股関節部痛・機能障害 ◆膝関節部痛・機能障害 ◆股関節部から足先までの下肢のしびれ、知覚異常 ◆下腿部痛・足関節部痛

 
手首の痛みや変形
ガングリオン 手首の甲側がプクッとふくれる。弾性のある丸い腫瘤として関節近傍に発生する。女性に多い。発生原因は不明であるが、結合組織の粘液変性を伴った退行性変化であり真性の腫瘍ではない。穿刺によりゼリー状の粘液を確認する。
De Quervain病 親指の付け根にある2つの腱はそれぞれ、
短母指伸筋腱と長母指外転筋腱と呼ばれ、これらは2本とも腱鞘というトンネルの様になったところを通過しています。 

この部で腱鞘炎がおこると、腱鞘の肥厚や腱の肥大により相対的にトンネルの内径が狭くなり腱のスムーズな動きができなくなり親指を動かす時に親指の付け根に痛みがでてきます。

 この部は腱鞘炎の好発部位なので、報告した人の名前をとって、デ・ケルバン腱鞘炎と呼ばれています。

手首を小指側に曲げると痛みが増強するのが特徴です。

原因としては、親指の使いすぎによるものが多いのですが、原因のはっきりしないこともあります。 一般に妊娠時や出産時、また更年期の女性に好発します。

治療としては、局所の安静の指導、場合により、夜間に安静を保持するためにギプスシーネ固定をしたり、サポーターなど簡易固定を用いることもあります。 湿布や痛み止めの飲み薬なども用います。 また、腱鞘内へのステロイドホルモンの注射もおこなわれます。

頑固な症例では腱鞘切開術の手術も行われることがあります。
関節リウマチ RA病変の好発部位、手関節部では環指、小指の伸筋腱皮下断裂に注意する。
手根管症候群 中年以降の女性に多い。手首のところで正中神経が圧迫されて母指示指中指と薬指の親指側半分の知覚障害や痺れや痛みがでてくる。痺れや痛みは夜間あるいは明け方に強い傾向があり、手を振ると楽になる。手首の安静をはかるため、ギプスシーネという固定具を用いたり、手首に正中神経のあるところにステロイドホルモンの注射をしたりしますが、改善しない場合には手根管開放術という手術を行う場合もあります。
キーンベック病
(月状骨軟化症)
働き盛りの男子特にハンマーを使う職業の男性に多い。手関節痛を持って発症する。手首の月状骨に無腐性の壊死をきたす疾患で、原因はわかっていない。治療は手術が主体となる。大切なことは、手術に躊躇して時期を逸し、月状骨が圧壊し、手根骨の位置異常をきたす前に治療することである。
 
手関節結核性腱鞘炎 稀ですが、関節リウマチとの鑑別が必要。結核の既往をチェックする。
Colles骨折
橈骨末端骨折のうち背屈変形するものを総称してコーレス骨折という。老年の婦人が手をついて転び手関節痛を訴えたら疑う。
 
Smith骨折 手関節を背屈位で手をつき、固定された手の上で前腕が回外することで掌屈型の橈骨遠位部骨折をおこす。コーレス骨折よりも手術を必要とする場合が多い。
Barton骨折 橈骨手根関節面の大きな骨片を伴う手関節掌側脱臼骨折で、関節面のズレを生じる脱臼骨折であるため正確な整復固定が必要となるためプレート固定などの手術を要することがほとんどである。
Chauffeur骨折 橈骨茎状突起骨折のことをいう。ショーファーとは運転手という意味で、セルモーターのなかった頃に自動車のエンジンを指導するのにクランクを回すと、強い反動でこの骨折がよく起こったた命名された。
舟状骨骨折 手根骨骨折のなかでは、最も高頻度に発生するが、しばしば見逃されて、骨折と診断されないまま放置されることが多い。治療の開始が遅れなければ95%以上の例で骨癒合がギプス治療で得られる。偽関節になった場合は、骨移植とHerbertスクリュー固定をする。
有鉤骨鉤骨折 手をついて転倒した際に横手根靭帯が緊張して骨折することが多い。外固定を4〜6週行う。
 
月状骨周囲脱臼 月状骨と橈骨の位置関係は正常ですが、月状骨とその他の手根骨との関係が異常となり背側に転位している。
月状骨脱臼 手掌をついて倒れた時に起こる。有頭骨と橈骨の間に挟まれてはじき出されるように掌側に転位する。脱臼後1日以内であれば整復可能。しばしば見逃されるので注意が必要。
手根不安定症 症状としては、手関節の痛み、可動域制限、握力低下などがあり、手関節運動時に轢音を触知することもある。

1.舟状月状骨間解離(Scapholunate dissociation):

舟状月状骨間靭帯が舟状骨の靭帯付着部で断裂して生じる。
レントゲンでの手関節中間位側面像で、舟状骨長軸と月状骨の近位と遠位弧の中点を結んだ線のなす角は舟状・月状骨角とよばれ、正常ではこれが30〜60度の間であるが、これが70度以上であると手根背屈変形(DISI:dorsiflexed intercalated segment instability)といい、舟状月状骨間解離である。つまり舟状骨は掌屈、月状骨は背屈というように近位手根列同士で異なった方向へ動いている。
レントゲンの手関節正面像では舟状骨と月状骨の間が2mm以上の骨間間隙があり(scapho-lunate gap)舟状骨が掌屈しているので舟状骨の長径の短縮がみられ、舟状骨結節が環状にみえる(cortical ring徴候)。治療は受傷後4週間以内であれば、掌屈している舟状骨を手関節掌側の舟状骨結節を背側に押し上げるようにして整復し、同時に手関節を背屈して背屈位にある月状骨と同じ掌背屈位にもっていく、そして経皮的にキルシュナー鋼線を通して固定を行いギプスを6週間、その後装具を6週間装着する。職場復帰は半年くらいかかる。

2・三角月状骨間解離:

手関節の疼痛、可動域制限などがあり、圧痛点が月状骨と三角骨のある尺側部分にある。
レントゲンでの舟状・月状骨角は20度以下で手根掌屈変形(VISI:volar intercalated segment instability)があり、関節リウマチに合併して発生することが多い。レントゲンの手関節正面増では月状骨三角骨かんでの両骨間に間隙が存在する。月状骨が橈骨の月状骨窩からはずれ尺側に偏位することがありこれを手根尺側偏位という。関節リウマチと合併することが多いためリウマチの滑膜炎の治療が重要となることのほうが多い。
橈骨末端骨折変形治癒後の

手根中央関節不安定症
手関節の掌屈が制限され、手関節運動時の有痛性轢音がある。
手関節側面のレントゲン像では、月状骨のsinkingが障害され、有頭骨は橈骨に対して背側に転位する。治療としては橈骨の矯正骨きり術が行われる。
三角線維軟骨複合体損傷
(TFCC)
症状は手首の痛みです。特に前腕の回内(手のひらを床にむける)や回外(手のひらを天井にむける)などの動作で痛みを訴え、痛みは動かす時に強くなります。

尺骨頭ストレステスト(前腕を回内、回外しながら手関節を小指側に倒し痛みの有無を調べる検査)を行うと強い痛みが出ます。

三角繊維軟骨複合体(以後TFCCと略します。)損傷は手関節の小指側の痛みをおこす代表的な傷病のひとつです。

TFCCは橈骨(前腕の親指側の骨)の内側から尺骨の茎状突起(前腕の小指側の骨の、一番手首よりの、手の甲の出っ張っているところ)と月状骨、三角骨へつながる軟部組織です。

手首の小指側でクッションの役割をはたしています。関節円板と靭帯、腱鞘で形成されています。ちょうど、膝の半月板のような役割だ,と考えて下さい。

原因として、TFCC損傷は外傷(手関節捻挫や尺骨茎状突起骨折など)によって発生する場合と、
退行変性(要は老化現象)によって発生する場合とがあります。

治療を必要とする症例の多くは外傷によるものです。
(尺骨の茎状突起の骨折の場合昔は整復もせず放置したままだったことが多かったんですが、この部分の痛みを出す事が結構あることがわかり、きちんとワイヤーなどで内固定することが増えてきたようです。)

診断: X線検査では特に異常を認めません。時に、plus variant=尺骨の突き上げ(尺骨=前腕の小指側の骨が橈骨=前腕の親指側の骨に比べると長すぎる状態)を認めることがあります。関節造影では損傷部でヨード性の造影剤の漏れを認めます。診断を確実にするにはMRIや関節鏡が必要となります。

治療: 保存的治療(手術しない方法)が原則です。症状が出て間も無いうちは、安静目的のためギプス療法や装具療法(手関節固定装具)、温熱療法などで経過観察します。難治例ではステロイド関節内注射を試みます。これらの保存的治療で無効な場合や長期間に渡って放置された場合は手術的治療が検討されます。手術は関節鏡視下で損傷部を縫合、切除する方法(半月板損傷と同様ですね。)と尺骨短縮術(尺骨を短くし三角繊維軟骨複合体部への圧力を下げる方法)などが検討されます。
 
 
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