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 症状からみる病名チェック
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◆股関節部痛・機能障害 ◆膝関節部痛・機能障害 ◆股関節部から足先までの下肢のしびれ、知覚異常 ◆下腿部痛・足関節部痛

 
 腰痛や足の痛み
腰椎椎間板ヘルニア 腰痛・下肢痛の原因疾患。最初は腰痛、間もなく片側性の下肢放散痛、増悪と緩解を繰り返す。時に歩行困難。下肢の知覚運動障害。

MRIでの検査が一般化してから、椎間板の膨隆所見のあるものは、下肢痛がなくても腰痛のみで安易に椎間板ヘルニアと診断されるようになってきている。画像による診断が優先されているように感じ、より大切である臨床所見や理学所見がないがしろにされている。またこのMRI所見だけで、下肢痛がなくても腰痛だけでレーザー焼却(PLDD)や手術をする医師が稀にみられるのは驚きであり危惧される。
椎間板ヘルニアの97〜98%は手術をせずに治るので、下肢に知覚障害や筋力低下などの神経症状のないものは、焦って手術すべきではない。手術が必要な場合、後方侵入へルニア摘出術であるラブ法およびそれに準じる方法が最少侵襲で行われることが推奨される。

へリニアにより神経根が刺激、圧迫され少なくとも下肢の坐骨神経痛の症状を有するもののみが、椎間板ヘルニアの診断名をつけられるべきだと思われる。
腰痛のみが主訴で、MRIで椎間板の変性膨隆を示すものは腰椎椎間板症の診断名のほうが妥当である。
坐骨神経痛 「坐骨神経痛」は、圧迫による神経根の痛みを指す症状の総称であり、病名ではない。
原因としては、椎間板ヘルニアなど椎間板の膨隆による圧迫、刺激、黄色靭帯の肥厚による圧迫、椎間関節の変形性変化、骨棘による圧迫、梨状筋症候群のように、筋腹筋膜による坐骨神経の絞扼などがある。
腰椎椎間板症
 
および

腰椎椎間関節症
腰椎椎間板症や椎間関節症は、理学所見、レントゲンでこれといった所見がみられないので、いわゆる原因不明の腰痛症の範疇にいれられることが多いと思われる。

腰椎椎間板変性症では、椎間板線維輪が加齢的変化により亀裂を起こして、その亀裂が徐々にひろがってくる。生化学的には線維輪、髄核の軟骨基質の変性をおこす。結果として椎間板の不安定などの初期機能不全が生じ、やがて同一分節の椎間関節に異常運動を引き起こし、その椎間関節の滑膜炎を生じて不定の腰部痛を生じる。

●椎間板変性による痛みは、主に、後縦靭帯や神経根に分布する神経幹神経を分枝して、一部に交感神経を含む知覚神経である洞脊椎神経が役割をにない、椎間板性疼痛をいわゆる腰の鈍い痛みとして感じられる。

●椎間関節包を支配している脊髄後枝内側枝が滑膜炎などで刺激されると、椎間関節性疼痛として腰の外側から臀部外側への放散痛として感じられる。椎間関節造影で疼痛の再現がみられることがある。また椎間関節ブロックで痛みが消失するとこの診断がつけられる。
腰椎分離症

および

腰椎分離辷り症
第5腰椎に多い。分離症があっても自覚症状や腰痛のないひとのほうが比率はずっと多い。X線像で前方すべりが見られるものは分離すべり症とよばれる。まれに分離部の線維軟骨塊による坐骨神経痛症状がみられることがある。若年で腰痛などの症状があり分離症が見られる例では、疲労骨折の可能性もありコルセットなどの固定を2ヶ月したほうが良い場合もある。
腰椎変性性すべり症 第4/第5腰椎椎間板の加齢による変性が原因で、この部に上半身の重みによる剪断力が加わった結果生じる第4腰椎の前方辷り症が多い。中年以降の女性に多く、分離症を伴わない。辷りのある部で脊柱管は狭窄し、神経を絞扼し脊柱管狭窄症と同じような症状が生じる。
梨状筋症候群 坐骨神経が梨状筋(piriformis)の下層を通過する際に圧迫をうけ発生する。この部の圧痛と放散痛、下肢の内旋で症状の増悪をみる。椎間板ヘルニアとの鑑別が必要。
強直性脊椎炎 仙腸関節の強直がまず起こり、次いでbamboo spineと形容される脊柱の強直がみられる。HLA-B27陽性。
変形性腰椎症 椎間板中心とする脊椎老化変性にたいするX線上の呼び名。骨棘などがみられる。必ずしも病気ではない。労作で腰痛が起こることもある。
腰部脊柱管狭窄症 歩行すると、両下肢のシビレが出る。前かがみで小休止すると間もなく消失(馬尾性間欠性跛行)するのが特徴。

治療としては、安静などは特に必要なく、症状をみながら徐々に動いて運動能力はできるだけ保つようにする。プロスタグランディンE1誘導体製剤の服用、硬膜外ブロック、仙骨ブロックなどが行われる。頻尿、尿漏れなどの膀胱直腸障害のあるものや、麻痺がでてきたもの、進行性の下肢麻痺のあるものは手術が行われる。麻痺の程度が強くなってしまってからの手術では、手術の効果が期待できないので、麻痺のあるものは時期を逸することなく早期に手術で対応するように注意する。
神経圧迫による症状に対しては、神経除圧術を、すべり症など脊柱不安定性に対しては、固定術が行われる。固定術はもともと存在する不安定性に対しての固定と、除圧部の二次性不安定性に対しての固定とがある。
骨粗鬆症 円背、腰背痛を伴う。女>男。寝がえりが困難。一寸したことで脊椎圧迫骨折、大腿骨頚部骨折、橈骨遠位端骨折を起こす。
治療として、痛みに対して、エルカトニン製剤、骨量を増加させるビスフォスフォネート製剤の服用。痛みの出ない範囲での腰の体操(ポローゼ体操)などが行われる。
馬尾腫瘍 行性の腰痛、下肢痛がみられ、しばしば椎間板ヘルニアと間違えられる。
転移性腫瘍 進行する腰痛、とくに体動時および夜間痛。X線像で椎弓根陰影の破壊像に注目。乳癌転移がもっとも多い。
化膿性脊椎炎 亜急性の経過を示すものがある。脊椎カリエスの鑑別が重要。糖尿病の合併に注意。
いわゆる腰痛症 調べても原因がわからない慢性腰痛の一群。腰痛の原因の70〜80%が非特異的で、科学的には十分に解明されているとはいえない。筋肉あるいは筋膜、椎間関節、椎間板の変性などに由来した痛みが原因になっていると考えられ、椎間板症や椎間関節症と診断されないものの大多数がこの範疇に入っていると思われる。筋疲労、姿勢異常、心因背景、ストレスによるもの、内臓疾患、股関節疾患などに要注意。
 
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